
コンブチャとは、紅茶キノコという名前でも知られる発酵飲料のこと。
そもそもコンブチャとは何なのか、なぜ体にいいのか、スコビーとは何なのか、作るときの注意点まで誰でもわかるように詳しく解説していきます。
コンブチャとは
コンブチャとは、昆布茶とは全く別のもの。
日本では1970年代に「紅茶キノコ」という名前で知られるようになりましたが、キノコでもありません。
コンブチャとは紅茶などのお茶に砂糖を加えて発酵させた、甘酸っぱい発酵飲料のことです。
味も見た目もリンゴ酢に近いといえます。
近年アメリカのセレブの間で流行したことから、日本でも再度広がりを見せています。
コンブチャの発酵の仕組み
砂糖を入れたお茶を発酵させるには、発酵を促すためのスターターが必要です。
コンブチャのスターターは「スコビー」または「マザー」とも呼ばれ、微生物が集まってゼリーのような状態になったものを使います。
このスコビーはコンブチャを作り続けることで成長し、層が暑くなったり膜が増えてきたりします。
増えたスコビーを剥がしてまた別のコンブチャを作っていく(株分け)こともできます。
微生物が砂糖をエサとしてお茶を発酵させていくため、甘いお茶が徐々に酸味を持ち、発酵が進むと微発砲していくようになります。
一度コンブチャを作り始めれば、スコビーにカビが生える等悪くなってしまわない限り繰り返し作り続けることができます。
コンブチャの効果
コンブチャはスコビーにどのような菌が含まれているか、また飲む時点での砂糖の量やお茶の抽出によるカフェイン・ポリフェノールの違いなどから、含まれる成分やカロリーなどが必ずしも同じとは言い切れません。
一般的にコンブチャの効果としてあげられるものは下記のようなものです。
・乳酸菌が豊富で腸の活動を促進させる→便秘解消効果
・アミノ酸を豊富に含む→疲労回復効果
・ビタミン、ポリフェノールを含む→抗酸化作用
市販のコンブチャ飲料やサプリメントには、ダイエットやガンの予防を謳うものもみられます。
医療的な効果についてはさておき、普段砂糖の多く含まれた炭酸飲料を手放せない方がコンブチャを代わりに飲むようになったり、意識して取り入れることで空腹を紛らわせることにつながればダイエットにもなるのではないかと思います。
また、発酵食品がそうであるように食物酵素が体を温める作用にも期待できるといえます。
人体に良い影響を与える微生物をプロバイオティクスと呼びますが(乳酸菌など)、どのプロバイオティクスが自分に合っているのかは個人差が大きいものです。
自身の腸内にどんな菌がいて、どんな菌を足すことで体調が良くなるかは人それぞれ違います。
いずれにせよ、万能な食品というものは存在しないので食と健康を試行錯誤しながら楽しむことが重要ですね。
コンブチャの作り方

1、沸かしたお湯500mlに対して5gの茶葉を入れ、3〜4分蒸らす。
2、100mlに対して5gの砂糖を溶かし、お茶が冷めるまで置いておく。
3、冷めたお茶を広口のガラス瓶に入れ、あれば5〜10%のコンブチャか、無ければ酢(1ℓに対して大さじ2)と、スコビーを入れる。かき混ぜなくてOK。
4、空気を通す清潔な布をのせ、隙間ができないよう紐などで口を縛る。直射日光を避け、温かい場所に置いておく。1週間〜味をみて、好みの酸味まで待つ。
コンブチャ作りの注意点
コンブチャは全ての発酵食品がそうであるように、微生物の力を借りて常に変化し続けています。
時には「見た目」や「匂い」、「味」によってそれが悪くなっていないかを見極めなければなりません。
作り始めに感じやすい不安や、注意点を解説していきましょう。
発酵させる容器はガラス製のものを
コンブチャの容器は、清潔なガラス瓶を使いましょう。
金属製のものは酸が溶かして有毒性になる可能性があるので絶対に使わないように。
スコビーは発酵が進むと上に浮いてくるので、下に口のついたジャーを使うと、発酵を妨げずに味見や飲むための取り分けができて便利です。
オリが沈んでいることがあるので、気になる方は濾して飲んでくださいね。

微生物は砂糖をエサに呼吸をして発酵していくため、空気が必要です。
コンブチャに触れる表面積が大きくなるように広口ビンを使い、ビンを満タンにしすぎない量で作るようにしましょう。
また、絶対にフタをしめて密閉しないこと。
下の微発泡のさせ方でもお話ししますが、破裂する恐れがありとても危険です。
茶葉、砂糖はどんなものを使えばいいの?
茶葉は紅茶が一般的ですが、緑茶や烏龍茶などどんなものでも大丈夫です。
緑茶はスコビーがきれいにできるとも言われます。
私はルイボスティーやエキナセアティーで作ってみたこともありますが、香りや風味に変化が出て面白いと思います。
ただし茶葉に香りを添加しているものは発酵を妨げる恐れがあるので、避けた方が無難です。
砂糖はグラニュー糖がおすすめ。
ココナッツシュガーやメープルシロップでも大丈夫とする人もいますし、私も実際にてんさい糖を使ってみたこともありますがやはりグラニュー糖が一番安定して発酵が進むように感じました。
また、グラニュー糖はスコビーがほとんど消費するため飲む時には少なくなっています。
グラニュー糖が気になる方は、糖分がなくなり酢くらい酸っぱくなるまで完全に発酵を進め、飲む時にアガベやココナッツネクターで甘みを足すのがいいんじゃないかと思いますよ。
発酵中はビンを動かさないように
気になってビンを動かしてしまったり、混ぜてしまったりしないように注意しましょう。
発酵しないからといって揺らしてしまうことが、発酵を妨げる1番の原因になってしまうからです。
スコビーを入れたら、あとは見守ってあげてくださいね。
どのくらいまで発酵させたら飲み頃になるのか
季節やコンブチャを置いている部屋の室温、スコビーの成長によってもまちまちですが、作り始めや冬は1ヶ月程度かかることもあります。
目安としては甘酸っぱい匂いがしてくることですが、一番は飲んで味を確かめることが大切です。
飲み頃になり、発酵を止めたい場合はスコビーを別の容器に移し、コンブチャは冷蔵庫へ入れておきましょう。
スコビーにカビが生えていないか気になる
始めはゼリーのようにどろっとしていたスコビーは、
発酵が進むと表面に膜を作りはじます。

表面が白っぽく見えるため、カビではないかと不安になる方も多いのです。
カビかどうかの見分け方は、まずは匂いを確かめることです。
ツンとした、嫌な匂いがした場合はコンブチャごと捨てて新しいものを作るようにしましょう。
また、コンブチャの甘酸っぱい匂いはコバエなどが寄ってくる原因にもなります。
蓋をしている布の間に虫が入る隙間ができないように注意してくださいね。
次のコンブチャを作るには
コンブチャからスコビーを取り出したら、次のバッチ(新しいコンブチャ)を作っていきます。
定期的に栄養を与え続けることが上手にスコビーを育てていくポイントになります。
もししばらくコンブチャ作りをお休みしたい場合には、スコビーが浸るくらいのコンブチャと一緒に容器に入れ、冷蔵庫で保管しておくこともできます。
次のお茶へスコビーを入れるために、コンブチャを取っておくことを忘れないで。
作り始めに酢を加えたように、他の悪い菌が増えるのを防ぐため、発酵前に液体を酸性にしておくことが重要なのです。
また、お茶を継ぎ足したりせず、必ず清潔なビンでまた作り始めてください。
微発泡させるためのポイント
広口ビンに入れたまま発酵させようと放置していると、そのまま発酵が進んで酢のように酸っぱくなり過ぎてしまいます。
炭酸というのは、液体中に二酸化炭素が多く含まれることで発泡するもの。
液体が空気に触れていると空気中に抜けてしまい、発泡しないのです。
コンブチャの甘味が抜けてから、細口の密封できるガラス瓶へと入れ替えます。
ぶくぶくと上がってくることを考えて、ギリギリまで入れすぎないこと。

室温が高い場合は2〜3時間に一度、口を開けて圧を抜きながら微発泡してくるのを待ちます。
気温が低い時期は一晩や1日置いておくこともできますが、ここで注意したいのが破裂です。
発酵が進みすぎると、ガラス瓶ごと爆発!という可能性があります。
重要なのは甘味が抜けてからにすること。
スコビーを抜いた後もコンブチャだけで膜を作るほど発酵は進んでいきます。
必ずエサとなる糖分が抜けていることを確認してください。
さらに冷蔵庫へ入れた後も少しずつ発酵が進んでいくと思って、微発泡(微炭酸)で止めておくのが良いでしょう。
私の経験では、冬は発泡まで進まないことが多く、また作り始めて1年ほどは全く発砲しませんでした。
ただしスコビーの菌の質や気温など、差が激しいことを覚えておいてください。
コンブチャを作ろう!材料を揃えるなら
私もはじめ、ネットで購入したスコビーを使ってコンブチャ作りを始めました。
周りに作っている人がいれば株分けしてもらうこともできますよ。
衛生面が心配な方は、市販のスコビーを使用するのがいいと思います。
WORLD KOMBUCHAスターターキット

私も作り始めは、こちらのWORLD KOMBUCHAのスコビーを使いました。
以前はMAUI KOMBUCHAという名前でしたが、産地がシアトルに代わり名前も変更になったよう。
冬でも発泡するところまで発酵した、というレビューもあり期待できるブランドです。
2パックセットになっているので、お茶を変えて作るのも面白いと思いますよ。
紅茶もセットになっているので、砂糖とビンがあれば作り始められるのも手軽ですよね。
SALUS ドリンクサーバー 3ℓ

実際に使っているサーバーです。
フタは開けっぱなしにした状態で、布をかぶせて使っています。
蛇口から漏れてくることもなく、コンブチャ以外の酵素ドリンク作りにも使えると思います。
ジュースを入れて使う場合には、完全に密閉すると下から出てこないので、蓋のシリコンパッキンを外して締めるといいですよ。
Bormioli Rocco(ボルミオリ・ロッコ) ガラス瓶 1L

二次発酵に使っているのがこちらのガラス瓶。
イタリアのメーカーのもので、シンプルイズベスト。
ジュースを入れるだけでもオシャレに見えます。
経済的に&生きた酵素を摂ろう
市販のコンブチャドリンクには、砂糖が後から加えられていたり、瓶詰めの段階で殺菌処理をしている可能性もあります。
生きたままの酵素を摂るには自分で作るのが1番。
瓶詰めにする段階で、発酵を止めなければ破裂してしまいますからね。
始めは揃えるものがあって面倒に思えますが、一度揃えてしまえば永久に作り続けられます。
コンブチャは発酵食品の中でも、スコビーが成長していく様子を目に見て楽しむことができ育てる喜びを感じることができます。
ぜひいろいろなアレンジを加えながら、自分だけのコンブチャ作りを楽しみましょう!